一呼吸おいて、一緒に考えてみましょう

 

不登校だからって怒らないで

不登校になってしまったお子さまには、これから先どのようなことが起こるでしょうか。

 

ここからの内容は、正式な調査や統計を取った内容ではありません

わたしの周囲の方からのヒアリング内容や、わたしの考えや調べた内容を書いてみますね。

 

「お母さん、もう学校に行きたくない」

この一言をお子さまが口にした事は、非常に勇気のある行動だと思います。

でも、それを聞いたご家族様は、驚いたり、怒ったり、悲しんだり、心配したり、たくさんの感情が心に生まれたことでしょう。

 

中でもやっぱり<心配>の気持ちが大きくて、勉強や将来など様々な事が不安になったことでしょうね。

 

中には、「うちの子グレるんじゃない」と思った方もいらっしゃるそうです。

 

もし、ご家族様が子どもから「学校に行かない」と聞いて、お怒りになるのは、自分の子どもがみんなと違う様に感じるからかもしれません。

「不登校」という事態に身の回りであまり経験がないこと、またはあまり良い噂を聞かないことだからだと思います。

 

ですが、わたしからご家族様に、「なぜ、学校に行かないからといってお子さまを怒るんですか?」と聞いた時、<なぜ?>の答えが明確に出てくるご家族様は少ないように思います。

それは、ご家族様の中にもともと【学校=行く】以外の選択肢が無いからなのかも知れません。

 

将来どうなるのだろう…

では、【学校≒行かない】を選択した場合は、どのような将来があるのでしょうか。

多くのご家族様が心配されることは、お子さまが

・ひきこもり

・ニート

になってしまうことのようです。

 

平成26年度の内閣府のデータでは、広義のひきこもり人口は69.6万人、また15~34歳の若年フリーターは182万人と発表されています。

(参照:内閣府HP http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h26honpen/b1_04_02.html

 

さて、この何万人もの人達は、皆さま学生時代に学校に行かなかった人でしょうか。

 

同じく参照したアンケートですが、ひきこもりになった理由のうち、「(小・中・高)不登校」と回答した比率は【11.9%】でした。

 

この数字を見たうえで、わたしの意見で恐縮ですが、学校に行かないから引きこもりやニートになるというのは違うと思います。また、この回答をした方の中でも、やりたいことが見つかっていれば、結果が変わった方もいるかもしれないと信じています。

 

わたし自身は、不登校を経験してから社会復帰された方を多く見てきました。

高校復帰や大学・専門学校復帰をしたという例は多く、高校卒業資格の為に通信制高校に入学したお子さまも知っています。

自分の知人にも中学校から不登校で今は介護士をしている者もいます。

 

インターネットの情報では、

「文部科学省の統計によれば、『中学時代に不登校を経験した子どものうち約8割がきちんと就学または就労をしている』というデータが出ています。(参照:パピマミコラム http://papimami.jp/24929)」

 

<夢を叶えたい>という気持ちを持っている人、自分の将来の為にやりたいコトを見つけた人たちは、きっとこの8割の先輩たちのように社会復帰をできるはずです。

 

一呼吸おいて、一緒に考えてみましょう

例えば、「勉強が苦手でついていけない。だから学校は楽しくない。」という子どもがいます。

 

それなら必死に努力をしたらいい、と言う方もいらっしゃいます。確かにそれでカバー出来るお子さまもいますが、勉強が出来ない事をとてもコンプレックスに思っているお子さまもいるのです。

 

お子さまが不登校になる理由として挙げた要因に、「そんなことくらいで?」と訝しむご家族様もいらっしゃるかもしれません。しかしお子さまからすれば「そんなこと」ではありません。

 

もし本当に学校に行って勉強をすることが、苦痛でたまらないという子どもがいるのなら、自分のペースで好きな勉強をし、夢を見つけて社会復帰に繋げたほうが良いのではないでしょうか。

 

そもそも、どうして学校に行きたくないのかをうまく言葉にできないお子さまも多いのです。

 

ご家族様のお子さまを思う気持ちはとても深いものでしょうし、お子さまにたくさん呼びかけて、ご家族様もきっと大変だったことでしょう。

たくさん頑張ってこられたんだと思います。

 

でも、少し深呼吸をして、今の状態を悲観するより、お子さまの将来を見つけるために視野を広くしてみませんか。

学校にいかなくちゃと焦るお子さまの葛藤と、学校に行ってほしいと焦るご家族様の不安を少しでも軽くすることが不登校のご家庭には必要なのです。

 

学生世代のお子さまが<生きづらさ>を感じている事について、わたしはとても淋しく感じています。

 

【学校】、【家庭】、【勉強】、【人間関係】、【将来】、etc

お子さま達が過ごしている環境は、どれも不安と期待が隣合わせにある環境ですね。

 

わたしはもう大人ですが、今でも学生時代に感じた、このような不安を忘れられずにいます。

  

わたしはいつもお子さま本人やご家族様に聞いています。

「今すぐ空気がなくなれば死んでしまいます。

今すぐ食べ物や水がなくなってもやはり生きていけません。

じゃあ、今すぐ学校に行かないと死んでしまうことはありますか?

今日から不登校になったからと言って、生きていけないですか?」

 

学校はあくまでも手段です。

将来あなたが<やりたいこと>を見つけた時に必要になることは、<卒業資格>や<学校での経験>だけではありません。

 

不安で堪らない気持ちを少し和らげて考えると、将来に向けて本当に必要なものが見えてくるはずです。

 

 そしてなにより、ありきたりの言葉ですが、「ご家族様も一人ぼっちではないですよ。」

一緒に悩み、寄り添います。一緒に前を向きませんか?